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ワーク・ライフ・バランスって?

更新日:10月3日

近年、働き方改革と合わせて「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を聞くことが増えたのではないでしょうか?

採用の現場でも、「ワーク・ライフ・バランスを重要視しています。」という声を聞く機会が増えてきました。


ワーク・ライフ・バランスというと、中には「仕事と生活の時間比率を揃えること」「女性支援のための施策である」といった解釈されがちですが、本来は年齢や性別を問わず、働く人すべてに関係する考え方です。現在働いている方はもちろん、これから働き始める方にとってもワーク・ライフ・バランスの定義や本質について理解しておくことは人生や仕事の質を高めることにつながります。是非、ご覧ください。


■ワーク・ライフ・バランスの定義

2007年に内閣府が定めた「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」によると、ワーク・ライフ・バランスが実現した社会とは、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」と定められています。仕事がうまくいくことで私生活でも心のゆとりを持つことができる、私生活が充実することで仕事のパフォーマンスも向上するなど相乗効果が期待するものです。



■「仕事と生活の調和が実現した社会」に必要とされる3つの条件

内閣府 男女共同参画局では「仕事と生活の調和が実現した社会」に必要とされる条件として以下の3つを挙げています。


① 就労による経済的自立が可能な社会

経済的自立を必要とする者とりわけ若者がいきいきと働くことができ、かつ、経済的に自立可能な働き方ができ、結婚や子育てに関する希望の実現などに向けて、暮らしの経済的基盤が確保できる。


② 健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会

働く人々の健康が保持され、家族・友人などとの充実した時間、自己啓発や地域活動への参加のための時間などを持てる豊かな生活ができる。


③ 多様な働き方・生き方が選択できる社会

性や年齢などにかかわらず、誰もが自らの意欲と能力を持って様々な働き方や生き方に挑戦できる機会が提供されており、子育てや親の介護が必要な時期など個人の置かれた状況に応じて多様で柔軟な働き方が選択でき、しかも公正な処遇が確保されている。



■ワーク・ライフ・バランスはもう古い?

現在の日本では、「働き方改革」を中心にワーク・ライフ・バランスを実現させようという動きが加速しています。しかし、その“手段”ばかりに気を取られ、従業員自らが働き方を選択できる環境を整えるという本来の“目的”が見えなくなってしまっている場合もあります。昨今では、ワーク・ライフ・バランスから発展した概念として、「ワーク・イン・ライフ」という言葉も誕生しており、価値観のアップデートが求められています。



■「ワーク・イン・ライフ」という考え方

「ワーク・イン・ライフ」とは、人生の中に仕事があると考え、働くことが人生の一部であることを意識し、仕事と生活が一体となって満たされていく生き方を指すものです。 仕事と生活を適切に調整し、互いが良好な関係を保つ状態を指しているワーク・ライフ・バランスとは異なり、「ワーク・イン・ライフ」は、仕事と生活は対立・分離するものではなく、一体となり、相乗効果を生むものだと捉えています。具体的には、「働くこと」は人生を豊かにする一部であり、人生の要素(家庭、教育、地域貢献、学び、健康、レジャー等)とも密着しているという考えにもとづいています。この考えによって「働くこと自体が、人生をより充実させ、豊かにする要素となる」と提唱している点が特徴です。



■長期的な視点で仕事と生活を捉える

突然ですが、ここで2つの事例をご紹介します。


【事例①】40歳までやりたいこと・プライベートの時間を優先したAさん

Aさんは40代半ば。プライベートを優先し、40歳になるまで仕事を転々として今日に至るまでそれなりに充足感があったようだった。しかし、同世代の活躍や生活水準を知り、残りの人生を考えたとき不安が襲った。そこで一念発起し、再就職を目指した。しかし、自分がやりたいことにしか興味関心がなく、自由奔放に生きてきたAさんは経験が不足しており、働く上で必要なスキルを身につけていなかった。前職ではアルバイト雇用で所得も月給15万円と生活も厳しいとのことだった。(40歳の平均月収は約40万円)そして、いくつも企業の面接を受けたが採用されることはなかった。


【事例②】20代で多くを経験し、30歳でマネージャーに就いたBさん

専門学校を卒業後、21歳で治療院を運営する企業に入社することができたBさん。向上心があり、成長意欲が高く、勉強会にも積極的に参加して自己研鑽に励んだ。仕事に対しても誠実に取り組み、日々やりがいを感じていた。めきめきとスキルアップしたBさんは多くのご利用者様から支持をいただき、上司や同僚からも信頼を集めていた。その結果、20代半ばで院長に就任して実績をつくった。30歳になったとき、これまでの実績と能力を買われてマネージャーに就任し、所得も月給50万円を超え、時間もコントロールすることができるようになった。(30歳の平均月収は約30万円)家庭をもち、一家の大黒柱として仕事と生活をしっかりと両立している。


これらの事例から読み取れるものは何でしょうか?


それは「人生という長期的な視点で仕事と生活のバランスをどのように取るのか」です。

Aさんは生活を優先し過ぎた結果、仕事と生活のバランスが崩れ、仕事に必要な経験の蓄積や能力開発をすることができませんでした。その結果、仕事を失い、優先してきた生活も脅かされる形となった。一方、Bさんは20代の軸足を仕事に置き、経験を積み、能力開発を行いながら、仕事の中から人生のやりがいを見つけ、10年間のプロセスを経て理想の生活を手にすることができたわけです。


「いつ」「どこで」「誰のために」「何のために」「どのように」力を注ぐのかで人生は変わっていきます。

その時々ではなく、人生という大きな視点で仕事と生活について考えてみてはいかがでしょうか?



株式会社 夢現

人事部 森

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