Vol.13 柔道整復師・鍼灸師を目指す君へ 就職活動完全攻略ガイド①
- MUGENグループHR 森
- 4月22日
- 読了時間: 8分
更新日:2 日前

柔道整復師や鍼灸師を目指し、日々勉学に励んでいる皆さん、こんにちは。このガイドへようこそ。国家資格取得という大きな目標に向かって努力されている皆さんの情熱は、将来、多くの患者様の健康と笑顔を支える力となるでしょう。この分野でのキャリアは非常にやりがいがあり、活躍の場も広がっています 。
このガイドは、皆さんが自信を持って就職活動に臨み、希望するキャリアへの第一歩を踏み出すために必要な知識と戦略を提供することを目的としています。就職先の選択肢から、国家試験との両立、履歴書・自己PRの作成、面接対策、そして将来のキャリアプランまで、就職活動の全プロセスを網羅的に解説します。
さあ、一緒に未来への扉を開く準備を始めましょう。
「あなたが目指す未来を想像してみよう」
第一弾:柔道整復師・鍼灸師の多様な働き方
国家資格を取得した後、皆さんの前には多様なキャリアパスが広がっています。伝統的な整骨院や鍼灸院だけでなく、医療機関、スポーツ分野、介護福祉分野など、活躍の場は多岐にわたります 。柔道整復師と鍼灸師は、病院や介護施設、スポーツ関連施設など共通の就職先も多いですが、鍼灸院は鍼灸師のみが活躍できる場であるなど、それぞれに特有のフィールドも存在します 。
まずは、主な就職先とその特徴を理解し、ご自身の興味や目標に合った道筋を描くことから始めましょう。
整骨院・接骨院での働き方
■役割
柔道整復師にとって最も一般的な就職先であり 、鍼灸師も多く勤務しています。伝統的には、骨折、脱臼、捻挫といった急性外傷に対し、手術を伴わない手技(非観血療法)による施術を行います。近年では、生活様式の変化や多様なニーズから肩こりや腰痛などの慢性的な症状への対応や、美容・ダイエットサポートなど、保険適用外の自由診療メニューを取り入れる院も増えています。テーピングや包帯、ギプスなどを用いた固定も重要な業務です。
■職場環境
会社や院長の施術方針や導入している機器、主な患者層(高齢者中心か、スポーツ学生が多いかなど)によって、雰囲気や特色は大きく異なります。多くの患者様が訪れる、活気のある環境である場合も少なくありません。
■メリット
柔道整復師としての専門性を活かし、急性外傷の施術経験を豊富に積むことができます。多くの患者様と直接関わることで、コミュニケーション能力や信頼関係構築スキルが磨かれます。将来的に独立開業を目指す場合、施術技術だけでなく、経営に関するノウハウを間近で学べる機会もあります。鍼灸師にとっては、鍼灸院単独よりも来院数が多いため、結果的により多くの鍼灸治療経験を積める可能性があります。
■デメリット
働き方改革が進み、法人化した治療院を中心に職場環境や待遇の改善を進めています。しかし、業界全体では拘束時間が長くなる傾向があります。給与体系として、基本給に一定時間分の残業代が含まれている(みなし残業代)ケースが多い点も留意が必要です。施術方針、福利厚生、鍼灸治療の割合(鍼灸割合)などは院によって差が大きいのが実情です。鍼灸師の場合、院の方針によっては柔道整復の補助的な役割が中心となり、鍼灸の施術機会が限られることもあるため確認するといいでしょう。
鍼灸院での働き方
■役割
鍼灸師専門の職場です。筋肉の深層部にある慢性的な疲労、内科系の不調、関節痛、精神的な問題など、幅広い症状に対応します。近年は、スポーツ鍼灸や美容鍼灸など、特定の分野に特化した鍼灸院も増えています。
■職場環境
一般的に整骨院より規模は小さく、特定の鍼灸治療を求めて来院する患者様が中心となります。
■メリット
鍼灸師としての専門性を存分に発揮し、技術を深く追求できる環境です。鍼灸治療を希望する患者様が多いため、専門家としてのやりがいを感じやすいでしょう。スポーツ鍼灸や美容鍼灸といった専門分野でのキャリアを築くことも可能です。
■デメリット
整骨院と比較して求人数が圧倒的に少なく、非常に人気が高い傾向にあります。一般的な鍼灸院では、一日の来院数がそれほど多くない場合もあり、多様な症例に触れる機会という点では、鍼灸整骨院の方が勝る可能性が高いでしょう。特に学生が人脈なしに鍼灸院の就職先を見つけるのは難しい場合があります。
病院・クリニックでの働き方
■役割
柔道整復師は主に整形外科やリハビリテーション科に所属し、医師の指示のもとで患者様の運動機能回復を目的としたリハビリテーションを担当することが多いです(「みなしPT」と呼ばれることもあります)。骨折後や手術後のリハビリ、医師の補助業務、医療機器の準備なども行います。鍼灸師は、鍼灸外来、麻酔科(ペインクリニック)、東洋医学科などで勤務するケースがあり、西洋医学的な知識も求められます。
■職場環境
医師、看護師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)など、様々な医療専門職と連携してチーム医療を実践する環境です。一般的に、整骨院などと比較して勤務時間や休日が安定している傾向があります。
■メリット
多職種連携を通じて、幅広い症例に触れ、医学的な知識や多様な視点を学ぶことができます。外傷や術後のリハビリテーションに関する専門性を深めることができます。病院によっては、レントゲンなどの画像診断について学ぶ機会もあります。鍼灸師にとっては、西洋医学と連携した鍼灸治療という貴重な経験を積むことができます。
■デメリット
柔道整復師や鍼灸師の求人数は少なく、競争率が高い傾向にあります。柔道整復師の場合、業務内容がリハビリテーションに限定されることもあります。理学療法士や作業療法士が優先的に採用されるケースも見られます。鍼灸治療を導入している病院自体が少なく、鍼灸師のポストは非常に限られています。また、将来開業を考えている方は、鍼灸整骨院の経営に関わる機会(経験)や学ぶ環境がないことを理解しておきましょう。
スポーツ関連施設での働き方
■役割
スポーツトレーナーとして活動する人の多くが柔道整復師の資格を持っていると言われています。プロチームなどでは、選手の怪我の応急処置、予防、コンディショニング管理、リハビリなどを担当します(アスレティックトレーナー)。鍼灸師は、慢性的な疲労回復やコンディション調整、痛みの管理などで貢献します。スポーツジムでは、利用者のトレーニング指導やプログラム作成(フィットネストレーナー)、併設された治療スペースでの施術などを行います。
■職場環境
プロチームのトレーナーは、遠征帯同や試合中の対応など、不規則で要求の高いスケジュールになることが多いです。結果が重視される実力主義の世界でもあります。スポーツジムはシフト制勤務が一般的です。
■メリット
スポーツが好きな人にとっては、選手のパフォーマンス向上に直接貢献できる、非常にやりがいのある仕事です。トップレベルの環境で専門スキルを活かすことができます。ジムによっては、施設利用の優遇や独立支援制度がある場合もあります。
■デメリット
プロスポーツ関連のポストは非常に狭き門であり、多くの場合、豊富な実務経験や人脈が必要とされます。チームトレーナーは契約ベースが多く、安定性に欠ける側面もあります。スポーツジムでの勤務は、他の職場に比べて休日が少ない傾向が見られます。柔道整復や鍼灸の資格が必須ではないポジションもあります。また、解剖学や生理学、栄養学、特定のスポーツ科学など、資格以上の幅広い知識が求められます。多くの場合、新卒での就職は難しいとされています。
介護・福祉関連施設での働き方
■役割
柔道整復師は、介護保険法に基づく機能訓練指導員として、高齢者の身体機能や日常生活動作(ADL)の維持・向上を目的としたリハビリテーションを提供することが多いです。鍼灸師も、一定の実務経験があれば機能訓練指導員として勤務可能ですが 、鍼灸治療そのものを行う機会は少ないかもしれません。利用者の状態評価、個別機能訓練計画の作成、運動指導、生活動作訓練などが主な業務です。レクリエーションや一部介助業務を担うこともあります。
■職場環境
利用者一人ひとりとじっくり向き合い、長期的な視点で生活の質(QOL)向上をサポートする役割が求められます。一般的に残業は少なく、比較的規則的な勤務が可能です。
■メリット
高齢化社会において需要が高く、安定した雇用が見込めます。利用者の生活に寄り添い、社会貢献を実感しやすい仕事です。ワークライフバランスを保ちやすい傾向があります。実務経験を積むことで、ケアマネージャー(介護支援専門員)の資格取得を目指す道も開けます。
■デメリット
施設によっては、利用者の送迎業務(運転)を兼務する必要があります。整骨院などと比較すると、昇給のペースが緩やかな場合があります。柔道整復師や鍼灸師としての専門的な施術スキルを直接活かす機会が限られることもあります。鍼灸師の場合、鍼灸治療は行えないことが多いです。
その他の働き方
上記以外にも、リラクゼーションサロンやエステサロン(特に美容鍼灸 )、柔道整復師・鍼灸師養成学校の教員、研究職など、資格を活かせる道は様々です。
ダブルライセンスでの働き方
柔道整復師と鍼灸師、両方の国家資格を持つことには大きなメリットがあります。急性外傷から慢性疾患、内科的愁訴まで、対応できる症状の幅が格段に広がり、より包括的なケアを提供できるようになります 。この多能性は、就職活動において有利に働く可能性が高く、雇用主にとっても魅力的です 。また、将来的に独立開業する際にも、提供できるサービスの幅が広がるため、有利に働くことが期待できます 。
最初に選ぶ職場は、その後のキャリアに大きな影響を与えます。例えば、独立開業を目指すなら整骨院で経営感覚を養う、多職種連携に興味があるなら病院で経験を積むといったように、自身の目標や職能に合わせて最適な環境を選ぶことが重要です。これは単に最初の就職先を決めるだけでなく、将来の専門性やキャリアの可能性に対して方向性を示すものになるでしょう。
株式会社 夢現
人事部 森
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