就職に向け、就職フェアや企業訪問、施設見学など就職活動をされている方、これから就職活動を始める方に向けて、今回は「後悔しない就職先の選び方」をお伝えしていきます。
■業界の採用事情
全国の鍼灸整骨院の数は5万件を超え、鍼灸院やあん摩・マッサージ院を含めると14万件以上になります。整骨院に限れば、全国のコンビニの数に匹敵する規模です。また、柔道整復師1人あたりの求人数の指標となる有効求人倍率は3.31倍となっています。有効求人倍率が1の場合は、企業が募集する仕事の数(有効求人数)と仕事を探している人の数(有効求人者数)が同じであるため、均衡が取れた状態となります。つまり、有効求人倍率が1よりも大きくなればなるほど求人に対して応募が不足した状態で、人材の確保が難しくなります。逆に1より小さい場合は、企業の求人に対して仕事をしたい人の数が多い状況なので、就職希望者はなかなか定職につくことが難しい状況といえます。現在は有効求人倍率が3.31倍であるため、業界の採用市場は「売り手市場」となっています。(新卒採用の就職活動における売り手市場とは、就職したい就活生よりも、採用したい企業の数が多い状況のことです。)
■○○だから企業選びが難しくなってる?
一人当たりの求人数が多いため、就活生にとっては選択肢が増えるというメリットがある一方で「選ぶ難しさ」も比例しています。企業は、ES(社員満足度)向上や良い人材と出会うために時流に合った労働環境の整備や待遇改善といった様々な努力を行っています。また、施術内容については治療方針やコンセプトに違いはあれど、大きな違いを感じることができないという理由から、「どの企業も良くて選ぶことが難しいです…」「どのように違うのかわからない…」といった就職先を選ぶ難しさに直面している方も多いのではないでしょうか。
■就職先選びは人生の大きな決断のひとつ
社会人としてのキャリアスタート、中途採用でのキャリアリスタートなど様々な場面で就職先を選ぶことになります。後悔のない選択するために様々な角度から就職先を選ぶことが大切です。
就職先選びのポイントをお伝えする前にご理解いただきたい前提があります。
それは・・・自分の理想と100%マッチングする「完璧な会社」は存在しないといっても過言ではないということです。しかし、「この会社で働きたい!」と思える「最適な会社」を見つけることは必ずできます。
POINT① 企業について深く知る
①企業理念と将来のビジョン
企業がどのような価値観、考え方で事業を行っているのか、どのような思いで社員は働いているのかがわかりやすく言語化されているのが「企業理念」です。また、企業がどのようなビジョンを描いているのかを確認しておくといいでしょう。入社とは「同じ船に乗り込む」ということです。そのため、企業理念や将来のビジョンに共感できるかどうかはとても重要です。
②企業文化
社風や働き方などを理解しましょう。社員のインタビュー記事を参考にしたり、企業訪問や施設見学の際に社員とコミュニケーションをとるとリアルな声を聞くことができます。企業文化とのマッチングは働きやすさの点において就職先を選ぶ大きな理由になります。
③財務状況
企業の財務状況は、安定性や成長性を判断する上で重要な指標です。財務状況が良ければ、昇給や賞与などの待遇アップや職場の環境整備への投資、出店などの新規事業の展開が考えられます。
③待遇や福利厚生
給与や賞与、休日休暇、保険制度などの福利厚生を比較検討しましょう。待遇や福利厚生は企業の社員への思いが形になったものです。また、好待遇や福利厚生の充実は前述した財務状況と紐づいており、経営が成功している証ともいえます。
④働き方
勤務形態や残業時間などの働き方や業務内容についても実際に勤務することを想定して確認しましょう。また、クライアントにどのような施術を行っているのか、どのような商品を扱っているのかなどにも関心を向けましょう。
POINT② 自分のキャリアと照らし合わせる
①自分の強み・やりたいことと合致しているか
自分の強みやスキル、やりたいことと、企業が求める人物像や仕事内容が合致しているかを確認しましょう。しかし、「自分の強みがわからない」「自分が何をやりたいのかわからない」と悩みながら就職活動を行っている方は実は多く、明確なゴールを決めて活動できている方も多くはありません。誰もが悩み、迷っています。わからないから自分はダメとか、周りと比べて焦りを感じる必要はありません。それも含めて就職活動です。そんなときは立ち止まって自己探求です。今の自分にできることを書き出してみましょう。その際に「やりたいこと」にとらわれ過ぎないことも大切です。「やりたいこと」が「できること(自分が得意な仕事)」とは限りません。自分がこれまでに培ってきた経験や得意なことを理解しないまま、漠然と「やりたいこと」を考えてしまうと、やりたいことが思い当たらなかったり、まったく得意でないことを目指すことになったり、という事態につながりかねません。まずは「できる仕事」と「やりたい仕事」を切り離して考えてみましょう。そして、自分にできる仕事を通じて成長しながら、やりたいことができる自分になっていくことが大切ではないでしょうか。
②キャリアパスがあるかどうか
入社後のキャリアパスがどう描かれているのか、キャリアアップの機会があるのかなどを確認しましょう。キャリアパスとは、企業内において目指す等級や役職・役割を見定めた時に、たどるべきポイントやクリアすべき基準、身に付けるべきスキルや経験などを示したものです。例えば、「〇等級になるためには仕事内容を理解し、自立した仕事ができればよい。」「△等級になるためには昇格試験で合格する必要がある。」「□等級・役職になると給与は・・・になる。」というものです。キャリアパスは、主に企業が社員に対して提示するものです。キャリアパスが提示されることで、社員は自らの将来設計が立てやすくなり、努力の方向性が明確化され、モチベーションの源にもなります。
③成長できる環境かどうか
自分の成長に繋がるような環境が整っているか、またはその機会があるか、研修制度が充実しているかなどを確認しましょう。現代において「成長」はキーワードです。成長することでクライアントへの貢献度が高まり、信頼を獲得できます。また、社内においても任される仕事の幅は広がったり、様々な機会を得ることができます。その結果、キャリアアップや昇給、自己実現に直結します。
■企業研究の方法
企業のウェブサイト:企業の事業内容、理念、採用情報などを詳しく知ることができます。
会社説明会:企業の社員から直接話を聞くことができる貴重な機会です。
インターンシップ:実際に企業で働くことで、仕事内容や社風を肌で感じることができます。
先輩社員との面談:実際に働いている先輩社員から話を聞くことで、リアルな情報を手に入れることができます。
複数の企業を比較検討:一つの企業だけに絞らず、複数の企業を比較検討することで、より良い選択ができます。
直感を大切にする:論理的な判断だけでなく、直感も大切にしてみましょう。
焦らずじっくり考える:就職活動は短期決戦ではなく、長期戦です。焦らずじっくりと自分のペースで進めていきましょう。
■企業を選ぶ際の注意点
①企業の評判だけでなく、自分の感覚を大切にする
企業の口コミや噂はあくまで他者のフィルターを介した情報です。鵜呑みにせず、自分の目で見て、感じることが大切です。
②給与だけでなく、働きがいも重視する
高い給与や好待遇ばかり目を向けず、本当にやりたい仕事かどうか、働きがいがあるかどうかを重視しましょう。
③将来のキャリアプランを考慮する
今だけでなく、将来のキャリアプランも視野に入れて、企業選びを行うようにしましょう。
皆さんの就職活動の成功を心より祈っています。
株式会社夢現
人事部 森
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